経済産業省から太陽光発電所の電力買取価格の引き下げ検討のニュースが出て、所有するインフラファンドにも含み損が出る口も発生したので、もう一度、固定価格買取制度などを整理して、資産運用として適切な投資か検証していく。
1.固定価格買取制度とは
経済産業省は再生可能エネルギーの普及を後押しするために、太陽光、風力、水力、地熱、バイオマスによる事業用発電施設により発電した電力を固定した価格で電力業者に買い取る制度を2012年より開始している。
東日本大震災後の原子力発電所の停止に伴い、不足する電力を確保するために、高い価格で長期間買い取りを保証することで、再生可能エネルギーを普及させることを目的に導入された制度である。
高い買取価格を維持するため、買い取りに使った費用は電気の使用者に「再生エネ発電賦課金」として集まられ、負担を賄う仕組みにしている。
以下のとおり制度が開始された当初は高い価格でのスタートとなり、かなりの数の業者が申請を行った結果、使用者の賦課金負担が高まったことから、年々買取価格の引き下げが行われてきている。
なお、2,000kW以上の非住宅用太陽光については、入札制に移行し、落札した価格が買取価格になるよう制度変更されている。
2012年度 | 2013年度 | 2014年度 | 2015年度 | 2016年度 | 2017年度 | 2018年度 | |
買取価格 | 40円 | 36円 | 32円 | 29円 | 24円 | 21円 | 18円 |
買取期間 | 20年間 |
2.他の発電の価格
関西電力のページを参照した各電力のコストは以下のとおり。
コスト | |
原子力 | 10.1円 |
石炭火力 | 12.3円 |
天然ガス火力 | 13.7円 |
石油火力 | 30.6円 |
こうしてみると、開始当初は約4倍の高い価格での電力であったが、現在の最新の申請する太陽光は石油火力よりも安く、環境負荷の高い石炭火力の1.5倍の価格まで低下してきている。
中国電力から届いた電気ご使用量のお知らせに記載されている再エネ発電賦課金は全体の10%、kWh当たりの電気料金は計算上28.7円となっている。
当初20~30円高い価格を各家庭に配布しているということであれば、1割から2割普及率になっているということであろう。